安藤 創業当時からのこだわりを更に進化させているわけですね。今、取り組んでいる新しいプロジェクトについても教えてください。

安達 弊社は地域のお客様からの要望に応え続けてきた結果、歩みを止めず成長させてもらってきました。豆かんや鴨、串揚げはもちろんですが、うどんだけだったメニューに蕎麦を追加したのも、18席から60席にお店を広げたのも、地域の方からの要望に応えながら喜んでもらいたいという気持ちからで、色々な経験をさせていただくことができました。そんな思いと向かい合う中、私自身が食物アレルギーだったということもあり、食物アレルギーについて興味を持つようになりました。私の場合は、大豆アレルギーで豆腐や枝豆を食べた時に、少し舌がしびれる程度の軽い症状だったのですが、最近の子供たちの食物アレルギーは命に関わることもあるようです。さらに詳しく調べていくと、給食でもアレルギー用のものが作られているそうです。みんなと違うものを食べていて仲間外れのキッカケにもなるかもしれないですし、何より本人が寂しい思いをしていると思うんです。現在、アレルギー対応のケーキ自体は他社さんも開発され、既にマーケットでも買うことができるのですが、正直私には美味しく感じられないのです。ケーキを食べたことのない食物アレルギーの子からは、それでも美味しいと感じるかもしれないのですが、家族の人が食べると美味しいとは思えない。そんな状況を見て、誰が食べても美味しいと感じる食物アレルギー対応のケーキを作りたいと思ったわけです。つまり、小麦粉、卵、牛乳を使わず、言われなければ食物アレルギー対応のケーキだと気付くこともない、そんな美味しいケーキを作って食べてもらいたいのです。

安藤 小麦粉、卵、牛乳を使わずケーキを作ることは可能なのですか。

安達 小麦粉の代わりはアーモンドのパウダーだったり、アーモンドがダメな場合はホワイトソルガムというキビの仲間を使ったり、生クリームのホイップの代わりにソイホイップを使っています。

安藤 もともとケーキ職人だったわけではなく、豆かんを中心とした和のお菓子しか作っていなかったわけですが、戸惑うことはなかったのですか。

安達 和の時もそうですが、誰に習うわけでもなくすべて未経験でスタートしているので、まずは見よう見まねで、本などから情報を得ながら作り出しました。書店には食品アレルギーに対応しているケーキの本などはあまり売っていないので、その中から「小麦粉や卵の代用品はないのか」と独学で研究を重ねながら、九州にアレルギー対応のお店があると聞いたので足を運び教えを請い、ようやく自分でも満足のいく食品アレルギー対応のケーキを仕上げることができるようになりました。今の若い世代は20人に1人が食物アレルギーと、私たちの世代よりも確実にそのパーセンテージが上がっています。そんな状況で困っている人の役に立てれば嬉しいと思います。

安藤 では今後のヴィジョンについてお聞かせください。

安達 現在、血糖値を気にする方用に、香川大学が量産化に成功した希少糖を使ったお菓子も作っています。この様に今後は、食物アレルギーだけでなく、食事全般で困っている人に頼ってもらえるようになりたいのはもちろんですが、弊社はこの柏市で地域の人たちに愛され、支えられて商売をしてくることができました。今は形を変え、お菓子の販売を進めていく中で、地域の人としっかり向き合いながら恩返しをしていきたいと考えています。これからもお客様に求められるもの、この地域で必要とされるものを提供していければと思います。この地域に必要とされる食文化を提供し、食を通じて地域に新しい風を吹かせながら、家族の幸せな笑顔を増やしていくことが使命だと考えております。

安達康平
有限会社モエギコーポレーション 代表取締役


 大学中退後、転職を繰り返しフリーター生活を送る。2003年より前社長である母がスタートさせた飲食店「もえぎ」にて接客・調理・運営等を手伝い始めるが、2007年の閉店と共に再び勤め人となる。2009年に細々と続けていたお菓子の製造販売を手伝い、2013年代表取締役に就任。


有限会社モエギコーポレーション 
〒277-0885 千葉県柏市西原3-6-5
TEL:04-7155-7558 FAX:04-7157-4854
オフィシャルサイト URL http://www.moegi.biz