安藤 様々なイベントも開催しているということですが。

加藤 昨今の子供は車離れが深刻で、率先して免許を取りに来る子供も少なくなりました。「自動車学校は楽しい」と思われる様に、イベントを定期的に開催しています。毎年5月には自動車学校を休日にして地域の皆様を対象としたイベントを行い、今では4000人強もの方に来場いただいています。これは日頃道路を使わせていただいている地域の皆さんへの恩返しだと思っています。また、ケーキバイキングや社員発案の季節に応じたイベントも多数開催しています。更に、2011年(平成23年)から「オートバイ人口を増やしたい」との思いでレンタルバイクをはじめました。意外と二輪は保管料にお金がかかるのです。二輪の免許を「親子割引」「夫婦割引」などで気軽に取れるようにし、オートバイを通じ、親子・夫婦で一緒に楽しめる趣味や出かける機会を増やすお手伝いをしていきたいと考えております。

安藤 親子でツーリングはあこがれます。ところで、南部自動車学校は「ほめちぎる教習所」ということですが。

加藤 アメリカの自動車学校を訪問した際、教習は「ティーチング(教える)」ではなく「コーチング(導き出す)」だという仕事のスタンスを学びました。さらに、ハワイで出会ったインストラクターのほめ方に感銘を受け、ほめることは人を伸ばすことだということに気付きました。そして、「ほめる」ことを教習に取り入れたいと考え、ほめて伸ばす、を教育スタンスにし、指導員全員がほめる達人協会の「ほめ達3級」の資格を取得したのです。目標を明確にし、ほめていくことで生徒のやる気を引き出すことにもつながっています。

安藤 ご自身の実体験から、新しいビジョンが生まれているのですね。

加藤 5年ほど前から、新入社員の両親に手紙を書いてもらい、歓迎会の折に全社員の前で読むことを実施しています。親への感謝の気持ちは誰でも持っているもの、それを教習に取り込めないかと考えました。そこで生まれたのが「親感謝プログラム」です。担当指導員は、教習中に何回か親に感謝するように伝えていき、卒業時に親からの手紙、ビデオを通じ、更に親に感謝の言葉を伝えるきっかけを作っていきます。そして、卒業式に生徒が親への感謝のメッセージを書き、封筒で郵送します。その内容は私たちでさえ、涙が出てくる素直な気持ちが溢れています。事故を起こしたら誰が一番悲しむかを気付かせることにより、「心のブレーキ」をかけ、交通事故の減少につなげていきたいと考えております。しかし、一番喜んでいるのは、子供の素直な気持ちを受け取ったご両親のようですね。

安藤 すばらしいです。運転教習だけでなく、心の教育まで行っているのですね。常に新しい視野を持って挑戦し続ける、加藤社長。今後の展望をお聞かせください。

加藤 伊勢ははじまりのまち。旅行業、郵便切手など伊勢発祥のものが多くあります。そんな『はじまりのまち伊勢』からほめる運転、褒められる運転の「いいね!運転」を全国に発信していきたいと考えております。ゆずってくれたらハザードランプではなく、「いいね!」の指のマークで合図。「いいね!運転」を続けることにより、10年後には伊勢ではかなり浸透するのではないでしょうか。さらに、2013年(平成25年)夏、社団法人ほめる達人協会のほめ達三重県支部を開設します。生徒には「ほめ達3級」の講習を無料で行い、運転だけでなく社会の中でより良い人間関係を構築する生き方も教えてあげられる場にしていきたいと考えております。人をほめる文化、親への感謝の気持ちを持って運転するような文化が広まれば、交通事故防止にもつながると思っています。南部自動車学校はGOOD DRIVERづくりを合言葉にしています!

加藤光一
南部自動車学校 代表取締役社長


 1993年(平成5年)南部自動車学校に入社。「誇りと成長」をモットーに、三重県下で唯一の「担任制度」「合宿制度」を導入、三重県で入校者数NO1の自動車学校へ。さらに、ほめちぎる教習、親への感謝の気持ちを心のブレーキにする教習、そして「いいね!運転」を全国へ発信することにより、『永遠の安全』を常に追求している。


南部自動車学校
〒519-0503 三重県伊勢市小俣町元町1648-10
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