安藤 株式会社ニシカワさんのお仕事内容について教えてください。まずは三川工場では何を作っているのですか。

西川 三川工場では、光学測定器・万能投影機・顕微鏡・カメラを中心に最新鋭の設備を使い、設計から材料調達、機械加工、塗装、組立、調整、完成出荷まで一貫してできる仕組みを持っております。そのため、お客様の無理難題にも対応できますし、短納期・コストダウンの提案もできることが強みの一つです。さらに、個人のスキルに頼ることなく、会社組織としてものづくりできるように、多能工化(マルチスキル)を行っております。これは、安定したものづくりをしたいということと、社員が働きやすい環境を整えるために一人の人に負荷が集中しないよう徹底して行っています。各部署全てに「後工程はお客様」という考えが息づいており、当たり前を当たり前とせず技術力を日々磨いています。例えば、レンズを毎日拭く仕事、見ていると簡単に思えるのですが、とても精密で技術を習得するのに時間がかかります。ニシカワではその仕事に従事している人全員がそれぞれの特異技術を習得しています。また、全員が毎月1件以上の業務改善案を出すなど、モチベーションの高い社員が多いのも強みであります。

安藤 独自のスキルを持った技能集団なのですね。鶴岡工場ではどのようなお仕事をされているのですか。

西川 鶴岡工場では、大型鋳物部品やセラミックの入った複合材などの機械加工と平面研削と塗装を一貫生産でき、さらに3次元CADによる設計ができるしくみをもっています。大型中型機械を両工場合わせて50台保有し、日本最大級の8メートル×4メートルまで加工可能な機械も持っています。加工を行う会社は設備投資にはお金をかけるのですが、検査に対し力を入れていない会社が多いのが現状です。ニシカワは大型の部品でも品質保証をすることが当たり前だと思っているため、3.3メートル四方の測定用石定盤も完備し徹底した検査にも時間と労力をかけ、精度を保っています。さらに、平面研削盤では追いきれない超精密な平面度は工場内の熟練した匠がハンドラップにより可能にするなど、サブミクロンの世界までこだわります。また、1つの部品で300〜400箇所のネジ穴がある精密機械のパーツ製作においても、図面にあるもの全てを1つ1つ必ず人の手と目で確認します。精密機械を作る会社だからこそできる、大物加工。精密なのに大物にこだわる、「大物精密加工屋」として、確かな技術力と高い品質保証を備えています。

安藤 日本最大級の機械もすごいですが、細かい検査まで日本の技術力の結集ですね。今後はどのような分野にチャレンジするのですか。

西川 現状は、お取引先である大手カメラメーカーでも持っていない大型の機械がここニシカワにはあるので、そのメーカーの主要な大物加工はニシカワで作られています。それらの実績と経験をもっていることも強みなのですが、まだまだこの山形で大物加工ができるということが知られていないことが現状です。今後は、「大物精密加工屋」として、大物の精密機械を必要としている会社さんにアプローチしていきたいと考えております。

安藤 「大物精密加工屋」とは具体的に教えてください。

西川 「大物精密加工屋」とは、光学測定器などの精密機器から、トレーラーに一つしか載らない大物鋳造部品(8メートル×4メートル)まで、「大物なのに精密加工」を可能とした技術プロジェクトであり、材質を問わず、日本でも最大級の門型5面加工機と門型平面研削盤により、材料発注から機械加工・塗装・組立までを可能とした技術屋集団です。

安藤 「大物なのに精密加工」ができ、さらに一貫生産ができる仕組みと高い品質保証がニシカワさんの強みなのですね。最後に今後の展望についてお聞かせください。

西川 今、日本の製造業は岐路に立たされています。日本はコストが高い為仕事が海外に流れていく現実があります。コンシュウマー用カメラはスマートフォンにシェアを奪われつつあり、半導体はPC用のインテルからスマートフォン用のクアルコムに逆転されるなど、時代と共に仕事を取り巻く環境も変化しつつあります。しかし、どんな厳しい状況の中でも生き残る企業は必ずあり、製造業が無くなることはありません。ニシカワは生き残る企業になる為、強い財務基盤と特化した高い技術・技能を持ち、徹底した改革による高い生産性とアジアと戦えるコストの実現を図るべく現在活動を続けています。特にニシカワでは、大物の平面精度の追求にこだわっています。まだまだ、日本には日本しかできない、そしてニシカワにしかできない技術・技能があります。「他の会社ではできないからニシカワに頼もう」と、世界中から仕事の依頼をされるような技能集団になることが目標です。また、株式会社ニシカワの原点は全国企業品質賞の考えから生まれた「お客様の無理難題を、喜び、チャンスと捉え、自らの積極的行動により輝く未来を開く、そして、生き残る」にもあります。最高賞であるエクセレント賞受賞へ挑戦することにより、お客様からさらに必要とされる会社を目指していきます。そして、「大物精密加工屋」を武器に、山形の地から日本の技術のトップリーダーを目指し世界へ発信していきます。

西川俊行
株式会社ニシカワ 代表取締役社長


 大学卒業後、技術系商社で働いた後、昭和51年、26歳で株式会社ニシカワ(当時:株式会社西川製作所)に入社、平成13年、代表取締役社長に就任。累積赤字を解消すべく、経営の健全化を推進・社内改革を進め、CIの導入や企業理念などを策定。大手カメラメーカーの下請けだけでなく、小物精密加工から日本最大級の大物の精密加工まで一貫生産できる仕組みを作りあげ、お客様からの納期・コストダウン・品質などの要求に最大限に対応している。


株式会社ニシカワ
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オフィシャルサイト URL http://www.oomonoseimitsukakouya.com